「一緒につくる」に挑戦するところからスタート
今回は、音楽制作をしている利用者さんと、動画編集をしている利用者さんで、ひとつの作品づくりに挑戦することになりました。きっかけは、スタッフからの「制作したBGMに合わせて、映像を編集してみよう」という提案です。
最初は少し戸惑いもありました。普段は自分の作業に集中する時間が多いので、別の人の制作物に合わせて自分の作業を組み立てることは、新しいチャレンジです。それでも、BGMと映像が重なったときにどんな作品になるのかを想像しながら、まずはやってみることになりました。
共同制作では、完成した作品だけでなく、その手前にある「相手の考えを聞く」「自分のイメージを言葉にする」「次に何をするかを一緒に決める」という過程も大切です。ALIIでは、こうした制作のやりとりも、活動の大事な一部として考えています。
初めての打ち合わせで、曲から浮かぶイメージを共有
初めての打ち合わせでは、制作したBGMを聞きながら、「どんな雰囲気の映像にしたいか」「どんな場所や素材が合いそうか」を話し合いました。少し緊張した様子もありましたが、曲を聞いたときに浮かんだイメージや、映像に入れてみたい場面について、お互いに意見を出すことができました。
その場で出た言葉は、忘れないようにメモにも残していきます。共同制作では、頭の中にあるイメージをそのままにせず、あとから見返せる形にしておくことが大切です。メモを取りながら話すことで、次の作業に向けた小さな道筋が見えてきました。
「どんな動画にしたいか」を話す時間は、制作スキルだけではなく、コミュニケーションの練習にもなります。自分の意見を出す、相手の話を聞く、スタッフの問いかけを受けてもう一度考える。そうしたやりとりを通して、作品づくりが少しずつ具体的になっていきます。
公園で素材探し。外に出ると、アイデアが動き出す
打ち合わせのあとは、公園へ素材探しの下見にも行きました。屋外に出て、実際に景色を見ながら「ここを撮影したらいいかも」「こんな感じに撮れたらいいよね」と話しているうちに、机上のイメージが少しずつ具体的な撮影案へ変わっていきます。
やはり外での活動は、気持ちも晴れやかになります。光の入り方、木々の揺れ、ベンチや広場の雰囲気など、室内で話しているだけでは見つからない素材がたくさんあります。スマートフォンを構えながら、どの角度ならBGMの雰囲気に合うか、どんなカットが使えそうかを自然に考える時間になりました。
素材探しは、ただ写真や動画を撮るためだけの時間ではありません。「作品に必要なものは何か」を考える時間でもあります。外に出て景色を見て、話しながら歩くことで、次の打ち合わせや撮影で試したいことも見えてきます。
完成までの過程も、ALIIらしい制作の時間
今回の共同制作は、まだ始まったばかりです。これから打ち合わせを重ね、必要な素材を撮影し、BGMに合わせて映像を組み立てていきます。途中で思った通りにいかないこともあるかもしれませんが、その都度相談しながら進めていくことも制作の一部です。
ALIIでは、動画編集・音楽制作・イラストなど、それぞれの活動を個別に進めるだけでなく、今回のように作業同士がつながる機会も大切にしています。自分の作った音が誰かの映像になる。誰かの映像が、自分の音楽をより伝わりやすくしてくれる。そうした体験は、ひとりで作業しているだけでは得にくいものです。
良い作品ができあがるように、これからも打ち合わせや素材探しを重ねていきます。完成までの過程も含めて、利用者さんにとって前向きなチャレンジになるよう、スタッフも一緒に伴走していきます。