共同制作プロジェクトが、撮影のステージへ

ALIIでは、音楽制作に取り組む利用者さんと、動画編集に取り組む利用者さんによる共同制作プロジェクトが進んでいます。制作したBGMに合わせて映像を編集し、ひとつの作品に仕上げることを目指す取り組みです。これまでは、初めての打ち合わせで作品のイメージを共有したり、公園へ素材探しの下見に出かけたりと、少しずつ準備を重ねてきました。

そして今回は、いよいよ本格的な素材撮影へと一歩を進めます。ちょうど6月の初めに旭川でお祭りが開かれることになり、「せっかくの機会だから、共同制作の素材を撮りに行ってみよう」という話になりました。普段の事業所の中だけでは出会えない景色や人の動きが、お祭りにはたくさんあります。作品づくりにとっても、またとないチャンスです。

撮影に出かけることは、ただ機材を持って外に出るだけではありません。「どんな素材が作品に必要か」を考え、現場で起きていることに反応しながらカメラを構える——そうした一つひとつが、制作の力につながっていきます。期待と少しの緊張をかかえながら、利用者さんとスタッフは撮影へと出発しました。

旭川のお祭りの会場で、共同制作の素材を撮影している利用者さんの様子
共同制作の素材を求めて、旭川のお祭りの会場へ。普段とは違う環境での撮影が始まりました。

屋台の商品や、楽しげに歩く人の流れを撮影

お祭りの会場に着くと、さっそく撮影が始まりました。まず目を引いたのは、ずらりと並ぶ屋台の商品です。色とりどりの食べ物や雑貨が並ぶ様子は、普段の事業所ではなかなか撮影できないもの。利用者さんは一つひとつの屋台に近づきながら、どの角度なら商品の魅力が伝わるか、どんな構図なら映像に使えそうかを考えてシャッターを切っていきました。

屋台だけではありません。お祭りを楽しみに歩く人たちの流れも、大切な撮影対象になりました。にぎわう会場の中を行き交う人の動き、ふと立ち止まって屋台をのぞき込む後ろ姿、家族や友だちと笑い合う雰囲気——そうした「その場でしか撮れない空気」を映像におさめていきます。動いている被写体をどのタイミングで撮るかは、止まっているものを撮るのとは違う難しさがありますが、利用者さんは何度も挑戦しながらコツをつかんでいきました。

お祭りの屋台や、会場を楽しげに歩く人の流れを撮影している様子
屋台の商品や、楽しげに歩く人の流れを撮影。動いている被写体をとらえるのは新しい挑戦です。

普段は撮影できないものを撮ることができたのは、今回の大きな収穫でした。屋台の彩りも、人々のにぎわいも、お祭りならではの活気も、撮りためた一枚一枚が、これからの作品づくりの材料になっていきます。

お祭り会場の公園内で、いろいろな風景も撮影

お祭りの会場となっていたのは、緑のある公園でした。屋台や人の流れだけでなく、会場の公園内に広がるいろいろな風景も撮影しました。木々の様子や広場の雰囲気、空の色や光の入り方など、屋外ならではの景色は、映像に奥行きや季節感を加えてくれます。

同じ公園の中でも、立つ場所や見上げる角度を変えるだけで、まったく違う表情が見えてきます。利用者さんは歩きながら「ここからの景色もいいかも」「この風景はBGMの雰囲気に合いそう」と、撮りたい場面を探していきました。お祭りのにぎやかさと、公園の落ち着いた風景。その両方を撮れたことで、作品に使える素材の幅もぐっと広がりました。

お祭り会場となった公園内の風景を、角度を変えながら撮影している様子
会場の公園内では、風景もたくさん撮影。場所や角度を変えながら、作品に合う景色を探します。

事業所に戻って素材を確認。反省点も、大切な学び

撮影を終えて事業所に戻ってからは、撮ってきた素材を改めて確認する時間を持ちました。大きな画面で見返してみると、現場では気づかなかったことがいろいろと見えてきます。「ここはうまく撮れているな」という発見もあれば、「あの場面も撮ればよかった」「もう少し違う角度からも撮りたかった」といった反省点も出てきたようです。

こうした気づきは、けっして失敗ではありません。次にどう撮ればいいかを考えるための、大切な学びです。撮影に行く前は想像でしかなかったことが、実際に撮ってみることで「次はこうしてみよう」という具体的な目標に変わっていきます。利用者さんは、素材という形のあるものだけでなく、撮影を通していろいろなものを得ることができた様子でした。

お祭り会場で、撮影しながら次に撮りたい場面を考えている利用者さんの様子
現場で撮りながら、戻ってから見返して気づくことも。反省点は次の撮影への手がかりになります。

撮影した素材をもとに、構成を考える作業へ

撮りためた素材がそろったら、次はいよいよ作品づくりの中心となる作業です。現在は、撮影した素材をもとに、どんな順番でどの映像を見せていくか——作品の「構成」を考える作業に取り組んでいます。集めた素材をただつなげるのではなく、BGMの雰囲気や伝えたいイメージに合わせて、一つひとつの場面を組み立てていきます。

構成を考えるというのは、頭の中にある「こんな作品にしたい」という思いを、目に見える形に整理していく作業です。どの映像を最初に置くか、屋台のにぎわいと公園の静けさをどうつなぐか、BGMのどの部分にどの場面を合わせるか。考えることはたくさんありますが、その分だけ作品が自分のものになっていく実感のある時間でもあります。

撮影した素材を見ながら、作品の構成を考える作業に取り組む様子
撮影した素材を見返しながら、作品の構成を考える作業へ。時間をかけてじっくり向き合います。

苦手なことにも、スタッフと協力して向き合う

今回構成づくりに取り組んでいる利用者さんは、頭の中のものをイメージしたり、文字にして表したりすることが、けっして得意なわけではありません。構成を考えることも、もともと得意な作業ではありません。それでも、スタッフと協力しながら、時間をかけてたくさん悩み、少しずつ前に進んでいます。

「ここはどうしたらいいだろう」「この場面は何を伝えたいだろう」——一人で抱え込まずに、スタッフと一緒に考えることで、もやもやしていたイメージが少しずつ言葉になり、形になっていきます。ALIIでは、こうして悩みながら取り組む時間そのものを、大切な活動の一部だと考えています。すぐに答えが出なくても、向き合い続けることが、本人の力になっていくからです。

良い作品にできるように、と頑張ってくれている姿は、スタッフにとっても励みになります。苦手なことから逃げずに、自分のペースで挑戦を続ける。その積み重ねが、完成したときの大きな達成感につながっていくはずです。

完成までの過程も、ALIIらしい制作の時間

共同制作プロジェクトは、撮影を終えて構成づくりへと進み、少しずつ作品の形が見えはじめています。これからは、考えた構成に沿って映像を編集し、BGMと合わせて仕上げていく作業が待っています。途中で思った通りにいかないこともあるかもしれませんが、その都度スタッフと相談しながら進めていくことも、制作の大切な一部です。

ALIIでは、動画編集・音楽制作・イラストなどの活動を個別に進めるだけでなく、今回のように作業同士がつながり、ひとつの作品に向かっていく機会も大切にしています。自分が集めた素材が映像になり、誰かの音楽と重なって作品になる体験は、ひとりで作業しているだけでは得にくいものです。完成までの過程も含めて前向きなチャレンジになるよう、これからもスタッフが一緒に伴走していきます。

よくあるご質問

ALIIの共同制作プロジェクトはどんな活動ですか?
音楽制作・動画編集・イラストなど、別々の活動に取り組む利用者さん同士が、ひとつの作品づくりに一緒に挑戦する取り組みです。今回は、制作したBGMに合わせて映像を編集することを目指し、素材の撮影と構成づくりを進めています。完成した作品だけでなく、相手の考えを聞く、自分のイメージを言葉にする、次の作業を一緒に決めるといった過程そのものを大切にしています。
撮影や共同制作には、どんな利用者さんが参加できますか?
特別な経験や資格は必要ありません。今回構成づくりに取り組んでいる利用者さんも、イメージしたり文字にしたりすることや、構成を考えることが得意なわけではありません。それでもスタッフと相談しながら、自分のペースで少しずつ進めています。撮影や制作に興味がある方は、まず見学でどんな活動か見てみることから始められます。
制作した作品はどうなりますか?
ALIIでは、動画編集や音楽制作などの活動を、実際の制作活動(クリエイティブワーク)につなげることを目指しています。共同制作で生まれた作品も、本人の自信や次の制作につながる経験として積み重ねていきます。どんな形で発表・活用していくかは、本人やスタッフと相談しながら進めていきます。
見学や体験はいつできますか?
見学・体験は随時受け付けています。動画編集・イラスト・音楽制作など、実際の作業内容や一日の雰囲気をその場でご案内します。見学だけのご相談でも歓迎していますので、お問い合わせフォームやお電話(0166-73-6730)からお気軽にご連絡ください。
ALIIを利用するにはどうすればよいですか?
まずは見学・相談からスタートします。その後、体験利用で雰囲気を確かめていただき、ご希望に合えば市区町村への申請や受給者証の取得などの手続きを、スタッフがいっしょにサポートします。制度や費用の不安がある段階でも構いませんので、利用案内ページや相談ページからご相談ください。

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