イラスト・デザインの作業に取り組む利用者さんが増えています

ALIIは、旭川駅前にある就労継続支援B型事業所です。動画編集や音楽制作とならんで、イラストやデザインの作業も、日々の活動のひとつとして取り組んでいただけます。ここ最近は、そのイラスト・デザインの作業を選ぶ利用者さんが増えてきました。パソコンのイラストソフトを開いて線を引く方、液晶ペンタブレットにペンを走らせる方——机に向かう姿はさまざまですが、どの席でも「描く」時間が静かに流れています。

デジタルでイラストを描くというと、特別な才能がいる作業のように感じるかもしれません。けれどALIIでは、はじめから上手に描けることを求めてはいません。ペンタブレットの持ち方を知ること、ソフトの画面に少しずつ慣れること、線を一本引いてみること。そうした小さな一歩の積み重ねが、そのまま作業になっていきます。まずは触ってみるところから始められるので、絵を描いた経験があまりない方でも、自分のペースで取り組み始めることができます。

旭川のALIIで、液晶ペンタブレットとペンを使ってイラストの線画を描く利用者さんの手元
ペンタブレットにペンを走らせて、イラストの線を描いていきます。一本ずつ丁寧に、自分のペースで。

イラスト・デザインの作業は、完成した一枚だけが成果ではありません。どんなモチーフを描くか考える時間、色を選んで塗り重ねる時間、思ったようにいかずに描き直す時間——その一つひとつが、本人にとっての大切な取り組みです。ALIIでは、こうして手を動かし続ける過程そのものを、ていねいに見守っています。

一人ひとりの目標とペースに合わせて

同じイラスト・デザインの作業といっても、取り組む利用者さんによって目標は違います。「まずは基本の操作を覚えたい」という方もいれば、「時間がかかってもいいから、一枚の作品をきちんと完成させたい」という方もいます。どちらが正しいということはなく、いまの本人にとって無理のない目標を、スタッフと一緒に決めていきます。

作業のペースも人それぞれです。集中して一気に進める日もあれば、少しずつ手を動かす日もあります。体調や気分に波があるのは自然なことなので、その日その日の様子に合わせて、取り組む時間や内容を調整しています。大切にしているのは、まわりと同じ速さで進むことではなく、本人が「これならできそう」と思える形で続けられることです。焦らずに向き合えるからこそ、少しずつでも前に進んでいけます。

就労継続支援B型ALIIで、パソコンを使ってキャラクターのイラストを制作する利用者さんと、隣で見守るスタッフ
パソコンでイラストを描く利用者さんの隣で、スタッフが一緒に画面を見ながらサポートします。

苦手なことにも、スタッフと一緒に向き合う

作業を進めていると、苦手だと感じる場面や、難しくて手が止まってしまう場面も出てきます。思い描いたとおりの形に線が引けない、色のバランスがうまく決まらない、ソフトの操作でつまずく——制作にはそうした壁がつきものです。うまくいかない時間は、本人にとってもどかしいものですが、ALIIではそこを一人で抱え込まなくてよい環境を大切にしています。

手が止まったときは、スタッフが隣で一緒に画面を見ながら、「ここはこうしてみるとどうだろう」と声をかけたり、操作のコツを一緒に確かめたりします。答えをそのまま渡すのではなく、本人が次の一歩を選べるように寄り添うことを心がけています。アドバイスやサポートを受けながら、少しずつ難しさを乗り越えていく。その積み重ねが、本人の「できた」という手ごたえにつながっていきます。

イラストソフトで葉のモチーフを描き、デザインの基本操作に取り組む利用者さんの様子
イラストソフトでモチーフを描きながら、基本の操作を一つずつ身につけていきます。

苦手なことに向き合う時間は、けっして楽なものではありません。それでも、目標に向かってこつこつと頑張る利用者さんの姿は、スタッフにとっても大きな励みになります。ゆっくりでも自分のペースで挑戦を続けること。その姿勢こそが、作品を完成させたときの達成感につながっていきます。

完成した作品に、その人らしさがあふれる

時間をかけて取り組んだ作品が仕上がると、そこには必ず、その人ならではの個性があらわれます。選ぶモチーフ、色の組み合わせ、キャラクターの表情や世界観——同じお題で描いても、出来上がる作品はまったく違います。誰かの真似ではない、その人だからこそ生まれた一枚には、描いた本人の「好き」や「こう表現したい」という気持ちがぎゅっと詰まっています。

ALIIでイラスト・デザインの作業を続けるうちに、少しずつ表現の幅も広がっていきます。最初は線を引くのがやっとだった方が、色を塗り、背景を描き足し、一枚の作品として仕上げられるようになる。その変化を間近で見られるのは、私たちスタッフにとってもうれしい瞬間です。作品が増えていくことは、そのまま本人の自信が積み重なっていくことでもあります。

利用者さんが完成させた、オリジナルキャラクターのイラスト作品。色や背景を変えた2種類のプリント
時間をかけて仕上がった作品。色や背景を変えて、同じキャラクターでも違った表情に。

「すごい!」「自分には描けない!」——自然と生まれる、認め合う空間

作品が完成すると、ALIIではよくこんな光景が見られます。利用者さん同士が、それぞれの作品を見せ合うのです。画面をのぞき込みながら、「すごい!」「自分にはこんなの描けない!」と、感心する声が自然とこぼれます。誰かに言われて褒めるのではなく、本当に「いいな」と感じたからこそ出てくる、まっすぐな言葉です。

おもしろいのは、それぞれが自分の得意なことや苦手なことをわかっているからこそ、相手のすごさに素直に気づけることです。「自分はこの色づかいが苦手だから、これができるのはすごい」「こんな細かい線、自分には引けない」——お互いの違いを知っているからこそ、相手の良いところがよく見えてきます。こうして、お互いの良いところを見つけ合える空間が、教えられたわけでもないのに自然と生まれていることを、スタッフもとてもうれしく感じています。

作品づくりは、一人で机に向かう作業のように見えて、実はまわりとゆるやかにつながっています。誰かの作品に刺激を受けて「自分も描いてみよう」と思ったり、褒めてもらったことが次への意欲になったり。認め合う言葉が行き交う空気そのものが、ALIIで制作を続けるうえでの大きな支えになっています。

これからも、個性と完成を大切に

イラスト・デザインの作業は、上手・下手だけで測るものではありません。自分のペースで手を動かし、苦手なことにも向き合い、一枚を仕上げていく。その過程で生まれる個性と、完成したときの達成感を、ALIIはこれからも大切にしていきたいと考えています。利用者さん一人ひとりの「こう表現したい」という気持ちに寄り添いながら、スタッフも一緒に作品づくりを支えていきます。

「絵を描くのが好き」「デザインに興味がある」「創作を仕事につなげてみたい」——そんな思いをお持ちの方は、ぜひ一度ALIIの活動をのぞいてみてください。イラスト・デザインをはじめ、動画編集や音楽制作など、どんな作業があるのかを見学で実際にご覧いただけます。見学だけのご相談も歓迎していますので、気になった段階でお気軽にお声がけください。

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